皆さんこんにちは!
生活相談員の林島です。
北海道も随分と雪が解け、春の訪れを感じられるようになってきましたね。
春の訪れと共にやってくるのが”花粉症”ですね。
すでに本州では”花粉症”の症状に悩まされている方も多くいらっしゃるようですが、北海道でもどんどん増えてきています。
よく耳にするこの”花粉症”もアレルギーの一種であることはご存じの方も多いと思いますが、世の中には様々なアレルギーが存在し、時には命の危険もあることはご存知でしょうか?
今回はこのアレルギーについて、仕組みや原因・症状、そしてアナフィラキシーショックと呼ばれる症状についてご紹介したいと思います。
アレルギーの仕組み
アレルギーは、体を守る「免疫」反応のエラー
私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これら外敵をやっつけようとする「免疫」というしくみがそなわっています。
ところが、この免疫のしくみが、食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応して、攻撃をし過ぎる結果、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうのが「アレルギー」です。
本来は体を守るはずの反応が、自分自身を傷つけてしまうアレルギー反応に変わるのです。
エラーの犯人は、「IgE(アイジーイー)抗体」
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」または「抗原」といいます。
花粉、ダニ、ハウスダスト、食物、薬物など、私たちの身のまわりには多くの種類のアレルゲンがあります。
どのアレルゲンに反応するかは人それぞれです。
アレルゲンが体内に入ってくると、これをやっつけようと「IgE(アイジーイー)抗体 ※」というタンパク質がつくりだされます。
このIgE抗体は、皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞の表面に、まるでアンテナのように張りめぐらされています。
再びアレルゲンが侵入してきて、このIgE抗体のアンテナにひっかかり結合したとき、マスト細胞の中につまっているヒスタミンなどの化学物質が一気に放出されて、かゆみなどの症状があらわれてくるのです。
※免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質の一種。体内でつくられる抗体にはIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つの種類があります。
アレルギーの多くが、「即時型」です
アレルギーにはⅠからⅣまで4つのタイプがあります。
アレルゲンが体内に入った直後から数時間以内という短い時間で症状が出るアレルギー反応は、「I型=即時型」というタイプで、代表的なアレルギー疾患である花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などの他、食物アレルギーも主に、この即時型に分類されます。
即時型アレルギーの症状が起こるのには、IgE(アイジーイー)抗体が関係しています。
アレルギーの種類と症状
種類
大きく分けて3つに分けられます。
食物アレルギー・・・ある特定の物質に対して過剰に反応してしまうのがアレルギー反応です。食物アレルギーの場合、食べ物に含まれる主にタンパク質が異物(アレルゲン)と認識されて症状が引き起こされます。
蜂毒アレルギー・・・蜂に刺されたとき、かゆみや発赤(ほっせき)のような皮膚炎、または嘔吐や寒気などの症状を起こすことがあります。蜂毒の中にはアレルギー反応を起こす成分(アレルゲン)やヒスタミンが含まれているため、場合によっては重症のアナフィラキシーに至る危険性があります。
薬物アレルギー・・・人の体の中に入った薬物が、対する抗体ができると、次に同じ薬物が入ってきた時に免疫反応が引き起こされることがあります。それが薬物アレルギーであり、薬物過敏症のひとつです。
代表的な症状
①皮膚症状
食物アレルギーの症状でもっとも多く、じんましんやかゆみ、赤みなど、患者さんの約9割にみられます。
②呼吸器症状
皮膚症状の次に多いのが、くしゃみ、せき、呼吸困難、ゼーゼー、ヒューヒューなどの症状です。
③粘膜症状
口の中がイガイガしたり、唇や口の中、まぶたが腫れるなどの症状が出ます。
また外見的にはわかりませんが、のどの粘膜も腫れてくる可能性があります。
この場合、気道がせばまり、オットセイの鳴き声のようなせきや、声がれ、声が出なくなってきたりします。
さらに進行すると窒息する可能性もあり、迅速な対応が求められます。
④消化器症状
腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が出ます。その程度はさまざまです。
⑤アナフィラキシー
以上のような複数の臓器症状が全身に出るものがアナフィラキシーです。
このため、非常に多彩な症状があらわれます。
特に、血圧低下、それにともなって意識を失うなどの状態はショックと位置づけられ、命にかかわる危険な症状です。
アナフィラキシーショックとは
アレルゲンなどが体内に入ることによって、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れ、命に危険が生じ得る過敏な反応が出ることをアナフィラキシーといいますが、その中でも血圧低下や意識レベルの低下、失神を伴うなど、重症の場合をアナフィラキシーショックと呼び、すぐに治療しなければ命を落とすこともあります。
アナフィラキシーを起こす原因としては食物摂取、ハチによる刺傷、医薬品などが挙げられますが、そのうち圧倒的に症例数が多いのが食物によるアナフィラキシーです。
症状が一度治まった数時間後に再発することもあるため、速やかに救急車で医療機関へ行くことが大切です。
全身に発疹が出るなどの皮膚症状、唇や舌が腫れる粘膜症状のいずれかが表れ、なおかつ呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症などの呼吸器症状か血圧低下、意識障害などの循環器症状が見られます。
アレルゲンにさらされた後、数分から数時間以内に急速にこれらの症状が表れるのが特徴で、腹痛、嘔吐などの消化器症状を伴うこともあります。
また皮膚症状を伴わなくとも、アレルゲンにさらされた直後に平常時血圧の70%未満まで急速に血圧が低下することも。
気道狭窄や不整脈、動悸や失神などのショック症状によって、場合によっては死に至る危険性があります。
如何でしたでしょうか?
アレルギーは好き嫌いと勘違いされる場合もありますが、全く別のもので最悪命の危険もあるものです。
少しでも当てはまる症状があれば、一度病院で検査を受けられることをオススメいたします!
以上、林島でした!